給湯器のリモコン液晶にエラーコード「110」が表示している場合、給湯器が正常に点火できなかった可能性があります。リモコンの種類によっては、「110」ではなく、「11」と「0」の繰り返しで表示される場合もありますがエラー内容は同じです。
この記事をご覧になっている方の中には
「ガス給湯器のエラー 110の原因は?」
「給湯器が作動しないけれど対処法は?」
「今後エラー 110が発生しないようにするための予防策は?」
などが気になっている方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、「110」は故障ではない事例も多く、修理をせずに解決できる可能性が高いエラーの一つです。自分で対処ができる項目も複数あるため、慌てずに一つずつ確認していくことが解決するためのポイントとなります。ただし、使用年数が長い場合は寿命が近いことも考えられます。
そこで今回は、ガス給湯器のエラーコード「110」 の原因・症状・対処法から再発予防法まで詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、エラーコード「110」が出ても慌てることなく、無駄な修理依頼をせずに適切な対処ができるようになるでしょう。
目次
給湯器のエラーコード【110】の症状と原因
「110」は、リンナイ・ノーリツ製給湯器の一部の機種に設定されているエラーコードで、主に給湯を使用したときに発生するのが一般的です。機種にもよりますが、湯はり・おいだき操作時に発生することもあります。
いずれの場合でも給湯リモコンにエラーコード「110」が表示している限り、給湯器本体は作動できない状態にあるため、状況を確認しながら原因を探していく必要があります。
- エラーコード【110】の症状
- エラーコード【110】の原因
- エラーコード【110】の危険性
それでは順番に詳しく解説していきます。
エラーコード【110】の症状
給湯器のエラー「110」は点火不良の症状であるため、キッチン・洗面・シャワーなど、どの蛇口を開けても「お湯が出ない、水しか出てこない」状態となります。機種によっては「湯はりができない」「おいだきができない」状況も考えられます。
エラーコード【110】の原因
給湯器の点火不良の原因は非常に幅広いのが特徴で、「燃焼回路の不具合」「ガス供給回路の問題」「外的要因」など、様々な影響が考えられます。
Q 【110】<ガス:GTH・GT・GRQ・GQシリーズ>
A 点火不良
給湯機器へのガスの供給ができていない可能性があります。
※エラー表示が「11」と「0」が繰り返される場合は「110」となります。
ガス供給のトラブルの場合は、次の内容が考えられます。
- ガスメーター側でガスが止まっている
- ガスメーター以外のガス供給のトラブルが発生している
そして、ガス供給に問題がない場合は次の内容が考えられます。
- 大雨や強風によって給湯器の点火が妨げられている
- 長雨による湿気が原因となり、点火しにくい状態になっている
- 給湯側のバグ、部品劣化、部品故障などが発生している
各世帯で状況は異なりますが、これらのどれか1つが原因となっている可能性が高いといえるでしょう。
エラーコード【110】の危険性
給湯器のエラー「110」は、基本的に危険をお知らせするエラーコードではありません。ただし、何度も発生する場合は、何らかの異常が発生していることも考えられます。ガス臭い場合や異常が見られる場合は、運転を停止してガス栓を閉め、メーカーや業者に相談することをおすすめします。
給湯器のエラーコード【110】の対処法
給湯器のエラー「110」を解決するためには、最低限必要な処置や知っておきたいポイントがあります。
- 給湯リモコンでエラー【110】をリセットする方法
- 給湯器本体のコンセントでエラー【110】をリセットする方法
- リセット以外にエラー【110】を自力で解決する方法
- 解決しないなら給湯器の修理や交換を依頼する
それでは順番に詳しく解説していきます。
給湯リモコンでエラーリセットする方法
給湯リモコンの液晶にエラー「110」が表示されていることを確認したら、次の作業を行います。
- 給湯の運転を全て停止する
- 給湯リモコンの運転スイッチを操作して「切」「入」する
- エラー「110」の表示が消えたことを確認する
- 再び運転を行い、エラー「110」が出るか出ないかを確認する
「110」は原因が残っている限り何度でも発生するエラーですが、逆に一時的な要因であれば、リモコンリセットだけで解決することが多いのも特徴です。
給湯器本体のコンセントでエラーリセットする方法
給湯リモコンでエラーコード「110」が消えない場合、給湯器本体側でリセットする方法もあります。
- 給湯の運転を全て停止する
- 雨が止んでいるときに給湯器本体の電源プラグを抜き差しする
- 再び運転を行い、エラー「110」が出るか出ないかを確認する
「110」の原因が完全な部品故障ではない場合、給湯器本体側のリセットで解決する可能性もあるため、修理前には試しておきたい対処になります。
リセット以外にエラー【110】を自力で解決する方法
給湯器の内部に原因がある場合は点検が必要ですが、その前に利用者が自分で確認できる項目も複数あります。
天候を見ながらエラーリセットを繰り返す
リモコンやコンセントでリセットを試しても、大雨や強風、湿気などが影響している場合は、正常に点火できるようになるまで時間がかかることもあります。天候の様子を見ながらリセットを繰り返すことで解決する可能性も十分あります。
ガスメーターの確認をする
天候の影響が考えにくい状況の場合は、ガスメーター側で家全体のガスが遮断されている可能性があります。ガスコンロや他のガス器具も点火しなければ、家の外にあるガスメーターを確認してください。
ガスメーターが遮断しているときはガス漏れの可能性も疑い、まずはガス臭くないかを確認してください。ガス臭くなければ復帰操作をすることで解決できます。
都市ガスとプロパンガスでガス止めの表示が異なりますが、いずれも復帰ボタンを押して約1~3分でガスが使用できる状態になります。
参考:日本ガスメーター工業会|マイコンメーターの復帰方法(プロパンガス)
参考:日本ガスメーター工業会|マイコンメーターの復帰方法(都市ガス)
大きな地震などがなくても、ガスの長時間使用や消し忘れが原因でガスメーターが遮断することもあるため、エラー「110」が発生したときは必ず確認することをおすすめします。
ガス切れがないかを確認をする
プロパンガスの世帯に限りますが、ガスメーターが遮断されていなければ、プロパンガスのボンベが空になっている可能性も疑ってみてください。ガス切れの場合はボンベを交換することで解決できます。
給湯器やメーターガス栓の確認をする
ガスメーターやプロパンボンベの近くにガスの開閉をするメーターガス栓があります。閉まっている場合は開けることで解決できます。
ガス代の未払い、開栓忘れがないかを確認する
念のためにガス代未払いによるガスの供給停止、引っ越し後の開栓依頼忘れなども疑ってみてください。
解決しないなら給湯器の点検や交換を依頼する
紹介してきた内容を順番に確認と対処をしてもエラー「110」が消えない場合は、給湯器内部で故障や異常が発生していることも考えられます。ある程度様子を見ても状況が変わらなければ点検の相談をしてみてください。使用年数が10年近い場合は商品交換も選択肢にいれておくことをおすすめします。
給湯器のエラーコード【110】の修理費用
エラーコード「110」の場合、ガスメーターの復帰操作や簡単な処置で解決することもあれば、複数の部品交換が必要になる場合もあります。以下は修理の一例と費用の目安になります。
- 点検・手直し:5,000~8,000円程度
- イグナイター(点火装置)の修理 7,000~12,000円程度
- 電装基板の修理 22,000~38,000円程度
保証期間内であれば無料で修理をしてもらえますが、使用年数が長い場合は電装基板の交換などが必要になる場合もあるため、相談前に使用年数を確認しておくことをおすすめします。
今後エラーコード【110】で「給湯器が作動しない」と慌てないために
エラー「110」の場合、各世帯に共通する予防方法はありませんが、給湯器の掃除を定期的に行うことが、故障やエラーのリスクを低減するための秘訣といえます。
エラー「110」の原因は、「ガスメーター」か「雨風」の影響が圧倒的に多いです。しかし、「お湯が出ない」という緊急事態でもあるため、確認が不十分なまま慌てて修理依頼をしてしまい、結果的に無駄な点検費用を支払う方も少なくありません。
「110」は今後も経験する可能性が高いエラーです。修理依頼の電話をする前に
「天候の様子を見ながらエラーリセットを試す」
「ガスメーターは必ず確認する」
「他のガス供給に問題がないかを確認する」
これら3つのポイントを覚えておくことをおすすめします。
まとめ
以上、ガス給湯器のエラーコード「110」 の原因・症状・対処法と再発予防法などについてご紹介しました。
使用年数が短い場合は、故障の可能性よりも雨風やガス供給を疑ってみるのが最善策といえるでしょう。
一方で、使用年数が長い場合は、部品の劣化などが影響して雨風の影響をより受けやすくなっている可能性もあります。最近、エラーコードが何度も出るような状況であれば、寿命の前兆であることも疑い、いつ故障しても慌てないための準備をしておくことをおすすめします。