現在使用している給湯器が交換時期を迎えたり、最近給湯器の調子が悪くなったりなど、この記事を見ている方の中には、給湯器の見積りを検討している方もいらっしゃるかと思います。
給湯器の見積りを検討している人の中には、
「給湯器を交換の見積りをする際に知っておくべきポイントは?」
「給湯器の交換の見積りを頼むときはどこに依頼すれば良いのか?」
「給湯器を交換する際におすすめの業者はどこか?」
などが気になっている方も多いのではないでしょうか。
結論を先にお伝えすると、給湯器を交換するときは見積りをすべきですが、業者に全ておまかせで見積りを依頼するのはおすすめできません。業者と円滑に取引を進めるためにも、自分自身も正しい知識を身につけることが大切です。
そこで今回は、給湯器の見積りをする際のポイントをお伝えするとともに、給湯器の見積りを依頼するにあたって知っておくべき知識を解説します。
この記事を読むことで、給湯器に関する知識が身につき、見積りを依頼する際のポイントと注意点がわかります。なお、今回の記事は給湯器の販売に2年携わってきた私が、販売側の視点や心情にも触れながら解説し、価格交渉のコツも伝授します。
目次
給湯器の見積りをする際のポイントと交渉の方法
ここでは給湯器の見積りをする際のポイントを伝え、お得に購入するために交渉する方法について解説します。給湯器は頻繁に取り替えるものではないので、できるだけお得に交換できるようにしましょう。
必ず複数業者から相見積りを取る
給湯器の見積りは、基本的にどこの業者も無料で行っているので、必ず複数業者から見積りをとるようにしてください。最近では、現地確認なしで写真や型番で見積りを取れる業者が増えてきているので、そういった業者を積極的に活用しましょう。
また、馴染みのガス業者にしか依頼しないという方のお話もよく聞きますが、あまりおすすめはしません。なぜなら、近年給湯器の工事費の相場は変化し、標準的な工事費用でも、比べる業者によっては1万円以上の金額差が生じる場合があるからです。
なので、給湯器の工事費の相場を知るためにも、複数社から見積りを取りましょう。
なお、見積り数は多いほど良いですが、増やしすぎると営業の電話が頻繁に入り、対応が大変です。なので、目安としては5社くらいがおすすめです。
複数業者の中から3社に絞る
複数業者から見積りが届いたら絞り込みの作業を行います。詳細についてはこちらで解説しますが、業者を絞る判断基準としては価格、サービス、口コミなどです。
ちなみに、価格が他の業者と比べてあまりにも安い場合には注意しましょう。なぜなら、あまりにも安い理由の多くには、最初の見積りの金額を下げることで食いつかせ、後々追加工事費を請求される可能性があるからです。
あまり知名度がない業者で、見積りの項目が曖昧で金額が安すぎる場合は警戒するようにしましょう。
相見積りの内容を基に各社に交渉する
3社くらいに絞ったら、価格の交渉をしましょう。やり方の一例を以下の通り解説します。※ここではわかりやすく説明するため、価格が安い順にA業者、B業者、C業者と表現。
- 一番安いA業者の見積書をB業者、C業者それぞれに提示し、A業者の金額より下がるか交渉する。
- B、C業者よりさらに安い金額の見積りがでたら、次はA業者に提示して金額を交渉する。
- 最終決定の際には金額だけでなく、クチコミや応対のレベル、保証なども考慮して判断する。
このような流れになります。
業者としても、他社の見積書という明確な証拠が揃えば、会社として値引きをするか否かの検討がしやすいので、他社の見積書の提示は積極的に利用しましょう。
また、他社と相見積りを取ってしっかり検討している姿勢は業者にとって有効打になります。なぜなら、相見積もりを取っている顧客は、いろいろ調べてある程度知見がある印象を業者は持つからです。つまり、業者側にも良い意味でプレッシャーを与えることができるので、相見積りには交渉がやりやすくなるメリットもあります。
購入意思を伝えるのを忘れずに
業者、もしくは販売側の視点でお話すると、顧客が給湯器を本気で検討しているかどうかで、値引きに対する取り組み方が変わります。なぜなら、販売員も個人成績を抱えているので、販売の見込みがより高い顧客の案件は、積極的に会社や上司に相談を持ちかける頻度も高まるからです。
こちらの本気度合いを伝える例としては「A業者さんの印象が良いのでできればお願いしたいんだけど、もう少し値段下がらないかな?」など、相手を肯定しながらこちらの購入意思も伝えられると良いでしょう。販売員としも、会社や自分のことを褒めてもらえると、お客さんのために頑張ろうという気持ちになります。
業者側の背景や心情を理解してうまく利用できれば、お得に購入できる可能性も高まります。聞き方は場合によって異なりますが、基本的なスタンスとして覚えておきましょう。
給湯器の見積りの見方
給湯器の見積りを依頼すると、業者から見積書が送られてきます。見積書の項目は各社で異なりますが、ここではよく使われる項目をピックアップして、その項目が何を指しているのか、給湯器の見積りの見方について解説します。
本体費用 | 給湯器の本体価格 |
リモコンの本体価格 | |
工事費用 (一般的に発生する工事費のみ記載) | 基本取替工事費 |
既存品の処分代金 | |
ドレン排水工事(エコジョーズのみ) | |
部品代 | 配管カバー |
排気カバー | |
据え置きタイプ用の台 | |
可とう菅 | |
諸経費等 | 駐車場代、交通費、養生費用、など |
本体費用は、主に給湯器の本体とリモコンの価格が表示されます。本体とリモコンは型番も違い、個々に定価を設けているので、別々で表記する業者がほとんどです。
工事費用は、主に基本の取り付け工事(既存品を取り外し、新品の給湯器を取り付ける工事)費用と、処分費用が入ります。また、給湯器は一般の粗大ゴミでは出せず、産業廃棄物扱いになり一般家庭で処理するのは困難なので、処分を前提にして基本工事費に組み込んでいる業者も多いです。
例外として、交換する給湯器がまだ新しく、中古で販売する予定があるなら、処分せずにそのままにする場合もあります。しかし、それ以外の場合は後々処分するメリットがないので、交換のタイミングで処分するようにしましょう。
部品代はオプション費用として、家庭によって発生する金額が異なります。詳細は後述する給湯器交換費用の目安で説明してますので、こちらをご覧ください。
諸経費等は業者によって入れる項目が異なりますが、主に駐車場代金や養生費用などが入ることが多いです。
また、業者によっては交換費用を「交換費用一式」のようにまとめて記載する業者もあります。具体的な中身がわからないと、知らずの内に必要のない費用を請求される危険性も。
特に、工事費は「標準工事費一式」のように、まとめて表記する業者が多いです。そういった場合は、ネット業者ならサイトに記載されている内訳を確認、それ以外の場合は担当者に直接聞くなどして、費用の根拠をしっかり抑えるようにしてください。
給湯器の交換を依頼する業者の選別基準
ひとくちに業者と言っても、対応やサービス内容などはそれぞれ異なり、素人が選別するのは大変です。ここでは、実際に給湯器の交換をどういった業者に頼めばよいのか、具体的な選別基準について解説します。
口コミの評価が高い
口コミの評価が高いということは、それだけいろんな現場を経験したという証明でもあります。口コミを見れば業者の接客態度や、工事内容や後処理まで、さまざまな角度からの評価を見ることできるので、依頼する際には必ず確認しましょう。
対応が早い
評判の良い業者は工事までの日程調整など、問い合わせから工事までの対応が早いです。逆に注文から1週間以上かかる業者もあるので、注文する前には具体的に工事までの日程がどのくらいかかるか確認しましょう。
アフターサービスが充実している
重要な要素になるので、保証サービスの内容は事前に確認しましょう。優良な業者だと無料で10年の保証サービスがついている業者もあります。
給湯器のトラブルは何が起きるかわからないので、アフターサービスが充実しているかどうかは重要です。
給湯器の具体的な選び方
給湯器を選ぶ際にはいくつか確認する項目があります。基本的には業者が見積りの中で提案してくれますが、提案に対してしっかりと判断基準を持って検討するためにも、自分でも給湯器の能力を把握しましょう。
ここでは給湯器を選ぶ際の項目について解説します。
給湯器の型番
まずは型番を確認します。型番は給湯器の本体に必ず記載されています。見積りをする業者も、既存品の型番を基準にして見積りを行いますので、まずは今使っている給湯器の型番を確認しましょう。
給湯器の号数
号数は、1分間に生成できるお湯の量なので、例えば24号の場合は1分間あたりに24ℓのお湯を作ることが可能です。ちなみに、号数は型番でも一目で判断することが可能であり、例えばリンナイ製の給湯器「RUF-E2406SAW」では、24の部分が号数を表しています。
なお、号数を選ぶ時の目安は以下の通りです。
- 16号→1〜2人家族向け。賃貸物件に多く見られるタイプ。
- 20号→2〜3人家族向け。子供が大きくなり使用頻度が高まると少し厳しくなってきます。
- 24号→4人以上の家族向け。同時に複数箇所使用する場合は24号にしましょう。
追い焚き機能がついているか
追い焚きは、リモコンに「おいだき」のボタンがついているかどうかで判断できるので、まずはリモコンを確認しましょう。
オートかフルーオートか
型番がSA(セミオートの意味)の場合はオートタイプ、型番がA(セミオートの意味)の場合はフルオートタイプです。2つの違いとして、フルオートタイプには以下の3つの機能がついています。
- 自動足し湯機能→浴槽のお湯がなくなると自動で足し湯をしてくれます。
- 自動洗浄機能→浴槽からお湯を抜いた後に自動で配管にお湯を通し、配管内に残った汚れを排出する機能です。
- 自動検知機能→お風呂に人が入ることで設定温度よりもお湯の温度が下がると、自動的に暖め直してくれる機能です。
そのため、フルオートは、入る時間が全員バラバラなファミリー層におすすめな機能です。
設置タイプ
設置タイプは壁掛けか据え置きが多いですが、マンションなどではPS(パイプシャフト)型などもあります。給湯器の設置タイプは見積りの中でも重要項目なので、間違えないように確認しましょう。
床暖房がついているか
給湯器には床暖房に対応しているかも、給湯器を選ぶ際の判断基準になります。給湯器によっては暖房専用の型もあるので、型番を基に確認しましょう。
給湯器交換費用の目安
ここでは給湯器交換費用の目安を解説します。あくまでも目安の金額なので、明確な価格を出すのは見積りが必要ですが、業者との交渉の際の参考にしてもらえれば幸いです。
本体価格 | 工事費用 | |
給湯専用タイプ | 30,000〜45,000円前後 | 35,000円前後 |
追い焚き付きタイプ | 90,000〜120,000円前後 | 40,000円前後 |
床暖房付きタイプ | 150,000〜200,000円前後 | 60,000前後 |
追加費用が発生する可能性のある場合
初めてエコジョーズに変える場合
初めてエコジョーズにする場合は、給湯器から発生するドレン排水管の工事が必要になります。概ね10,000円前後を見ておくと良いでしょう。
別途部材が必要な場合
別途部材が必要になる場合と目安の費用は、主に以下の通りです。※()内は必要部材名
- 給湯器の排気の方向を変更する(排気カバー)→3,000円前後
- 給湯器本体に配管カバーを設置する(配管カバー)→3,000円前後
- 据え置き型の土台を追加する場合(据え置き台)→8,000〜11,000円前後
- 給湯器に可とう菅を使用している場合(可とう菅)→5,000円前後
風呂側の循環金具が故障していた場合
循環金具は追い焚き配管と浴槽の境界面ともなる金具を指します。あまり故障する部分ではありませんが、交換する場合は部材費込みで15,000〜20,000円前後かかります。
また、循環金具は素人でも交換することができますが、金具の締め付けなどコツが必要な上、接続が甘いと故障の原因になるのであまりおすすめしません。
配管の調整が必要な場合
給湯器のサイズが新しくなったり、顧客の希望で給湯器の配置を変更すると、配管の長さを調整する費用が発生します。費用は5〜6,000円前後ですが、配管延長が長くなると、その分費用がかかるので注意です。
おすすめの給湯器交換業者
まず、以下の表をご覧ください。給湯器交換業者各社を比較した表になります。
ネット系業者 | 大手ガス会社 | リフォーム会社 | |
メリット | 価格が安く、保証も手厚い業者が多い | ネームバリューという安心感、大手ならではの対応の手厚さ | リフォームを含めたトータル提案が可能、リフォーム検討中の方にはおすすめ |
デメリット | 参入業者が多いので選別が大変 | 値段が高い | 対応に不安を感じる業者も多い |
工事費 | かなり安い | 高い | トータルで依頼すると安い |
結論を先にお伝えすると、私のおすすめはネット系業者です。ここでは、デメリットで挙げた選別の大変さを解消するために、おすすめのネット系業者を3社に絞って解説します。
各社とも無料見積りを実施してますので、まずは見積りの依頼をしてみると良いでしょう。
キンライサー
キンライサーの見積りは早さを売りにしているので、現地確認無しで見積りを出してくれます。また、ネットで申込が完結できるので時間のない方にも最適です。
最大のおすすめポイントは、給湯器交換後は商品も工事も10年間の無料保証がついていることです。対応も24時間受付けなので、アフターフォローがかなり手厚く、どんな方でも安心してお願いできる業者です。
正直屋
正直屋は1927年創業、施工実績1万件以上、いわゆる老舗の給湯器交換業者で、蓄積してきたノウハウが評判を呼び、全国的な口コミも優良なものが多いです。
お値段もお手ごろ価格で出してくれるので、給湯器の交換が初心者の方、どういったところに頼めばよいかわからない方でも安心してお願いできます。
ほっとハウスの給湯器専門店
ほっとハウスはわかりやすい見積りが特徴で、追加料金一切なしの定額料金システムを導入しています。また、施工スタッフは外注ではなく教育指導をしっかりと受けた自社スタッフが行っており、顧客が安心できるサービス提供に力を入れている業者です。
口コミの評判も良いので、気持ちよく安心して取引をしたいと考えている方にはおすすめです。
まとめ
ここまで給湯器の見積りのポイントと注意点、おすすめな業者について解説してきました。
給湯器の見積りを依頼する際は、業者の選定と同じくらい、自分でも内容を把握する意識が大切です。専門的な部分まで踏み込む必要はありませんが、最低でも見積りに記載された項目は理解するようにしましょう。
給湯器の見積りの理解が深くなれば、業者とのやり取りも円滑になります。安心して良い取引をするためにも、自分でも給湯器の見積りについて理解するように努めましょう。