ガス給湯器は壁掛け型と据え置き型どっちがいい?メリット・デメリットを紹介

一般の家庭に設置されているガス給湯器は、据え置き型から壁掛け型に変更できることをあなたはご存知でしょうか。

国内で利用されている給湯器の中で、全体の6割以上のシェアを占めているガス給湯器は、買い替えの際に据え置き型から壁掛け型に変更できます。

ただ、古くなったガス給湯器を買い換える機会が訪れても、多くの方は壁掛け型と据え置き型の違いを知らずに、これまでと同じタイプを選ぶ傾向が強いです。

特に、今まで窮屈な場所にガス給湯器が設置されていた場合、据え置き型から壁掛け型に変更することで、使い勝手が大きく変わる可能性があります。

そこで今回は、ガス給湯器の据え置き型と壁掛け型のメリット・デメリット、設置タイプを変更する際のポイントを解説していきます。

この記事を読むことで、ガス給湯器を買い換える際の悩みが解消されますので、ぜひ最後までご覧ください。

ガス給湯器は「壁掛け型」「据え置き型」の2種類

ガス給湯器には、大きく分けて「壁掛け型」と「据え置き型」の2種類が存在します。

以下からは、両者の特徴について解説していきます。

壁掛け型の特徴

壁掛け型とは、家の壁に直接ネジで機器を固定する方式のことです。

一軒家などの戸建住宅では、屋外の壁に取り付けられることが多く、ガス給湯器のシェアのほとんどを壁掛け型が占めています。

また壁掛け型の給湯器は、給湯器の下から配管が出ているのが特徴的で、設置台の役割を兼ねた配管カバーも取り付けられることが多いです。

特にアパートやマンションといった集合住宅だと、玄関横の狭いスペースにはめ込むようにして給湯器が設置される「PS設置タイプ」が採用されます。

PS設置タイプとは

PS設置タイプとは、マンションの玄関横などにあるパイプスペース(PS)に設置される給湯器のことです。

狭いスペースにも取り付けられる壁掛け型が多く採用され、さらにPS設置タイプは「標準タイプ」と「スリムタイプ」の2種類に分かれています。

給湯器本体の横幅主な設置場所
標準タイプ約45cm一戸建て住宅
スリムタイプ約25cmマンション・集合住宅

スリムタイプは標準サイズよりも横幅が約20cm小さく、マンションの玄関横だけでなく狭いベランダにも設置できます。

据え置き型の特徴

据え置き型とは、地面の上に専用の据置台を設置して取り付ける方式のことです。

地面との接触を避けるためにブロックやコンクリ製の架台上に設置され、さらに据え置き型は壁掛け型とは異なり、配管が給湯器の側面から出ているのが特徴的です。

また据え置き型には「浴槽隣接タイプ」と呼ばれるガス給湯器も存在します。

浴槽隣接タイプとは

浴槽隣接タイプの給湯器は、据え置き型と同じように、戸建住宅の裏庭などの地面に設置されます。

据え置き型と異なるのは、浴槽の近くに設置しなければならない点と、配管が給湯器の裏から2本出ていることの2点です。

また以前までは、浴槽隣接タイプの給湯器は価格が比較的安かったため、多くの一般家庭で設置されていましたが、近年では下記のデメリットにより設置台数が減っています。

隣接設置タイプのデメリット
管の中に湯垢がたまりやすい
湯船が冷めやすい
設置場所が限られてしまう

一方で通常の据え置き型は、浴槽につながる穴が1つで良いことや、設置場所に制約がないという点から、浴槽隣接タイプに代わって主流となっています。

壁掛け型ガス給湯器のメリット・デメリット

ここからは、壁掛け型ガス給湯器のメリット・デメリットについて解説していきます。

壁掛け型ガス給湯器のメリット

壁掛け型ガス給湯器のメリットは、主に下記の4つです。

狭いスペースでも設置可能

壁掛け型ガス給湯器のメリットの1つ目は、狭いスペースでも設置できるという点です。

壁の好きなところに取り付けられる壁掛け型は、据え置き型とは異なり据置台が不要のため、給湯器の下にあるスペースが有効活用できます。

修理やメンテナンスがしやすい

壁掛け型ガス給湯器の2つ目のメリットは、修理やメンテナンスがしやすいという点です。

壁掛け型のガス給湯器は多くのお店で在庫を抱えており、急な故障が発生した際でも、修理スタッフのスケジュールがあえばすぐに取り替えられます。

また屋内に設置しているケースだと、配置状況がよほど醜くない限りメンテナンスしやすく、外に運び出す必要がないため即日修理が可能です。

水没するリスクが軽減される

壁掛け型ガス給湯器の3つ目のメリットは、水没するリスクが低いことです。

壁掛け型の給湯器は設置場所が地面から離れているため、水害などが発生した場合でも、水位がある程度の高さまで達しなければ、給湯器本体が水没することはありません。

価格が若干安い

壁掛け型ガス給湯器の4つ目のメリットは、据え置き型と比べて価格が若干安いことです。

壁掛け型はガス給湯器の中で最も量産されているタイプなので、販売時の値引率が高く、壁掛け型なら大幅値引きが可能だとアピールする業者が多く見られます。

壁掛け型ガス給湯器のデメリット

一方で壁掛け型ガス給湯器には、下記の2つのデメリットも存在します。

振動の音が家の中まで聞こえる場合がある

壁掛け型ガス給湯器のデメリットは、まず振動音が家の中まで聞こえやすいことです。

寝室や居室近くの壁に取り付けた場合、ガス給湯器の振動や燃焼音といった作動音が気になる場合があり、据え置き型から壁掛け型に替えて騒音が気になりだした方もいます。

もし騒音が心配であれば、浴室や洗面所あたりに取り付けるのがおすすめです。

壁への負担がかかる

さらに壁掛け型ガス給湯器のデメリットとして、壁に負担がかかってしまう点が挙げられます。

ガス給湯器本体には30kg〜50kgの重みがあるため、地震などの災害で給湯器が落下したり、壁が壊れたりする可能性も考慮しなければなりません。

ちなみに給湯器を交換する際のオプションとして、壁掛け型専用の据え置き台を設置できる場合があるので、壁への負担が気になる方は検討してみるのも良いでしょう。

据え置き型ガス給湯器のメリット・デメリット

つづいて、据え置き型ガス給湯器のメリット・デメリットを紹介していきます。

据え置き型ガス給湯器のメリット

据え置き型ガス給湯器のメリットは、主に下記の3つです。

壁に負担がかからない

据え置き型ガス給湯器の1つ目のメリットは、壁に負担がかからないことです。

地面の上に設置するタイプの据え置き型では、よほど隣接しない限り壁に熱が伝わる心配がなく、住宅を長期間いい状態に保てます。

振動による騒音が家の中まで届きにくい

据え置き型ガス給湯器の2つ目のメリットは、振動による騒音が家の中まで届きにくい点です。

壁掛け型に比べて壁からの距離があるため、寝室や居室の場所に悩むことなく、最適なスペースへガス給湯器を設置できます。

地震が発生した際に落下の危険性がない

据え置き型ガス給湯器の3つ目のメリットは、落下の危険性がないという点です。

壁掛け型だと高い位置に設置するため、大きな地震が発生した際に落下してしまう危険性があります。

しかし据え置き型であれば、地面の上の低い位置に設置するので、落下のリスクを最小限に抑えられます。

据え置き型ガス給湯器のデメリット

一方で据え置き型ガス給湯器には、下記の2つのデメリットがあります。

設置スペースが必要になる

据え置き型ガス給湯器のデメリットとして、まず設置スペースが必要になるという点が挙げられます。

屋外に据え置き型のガス給湯器を設置する際は、どうしても場所を確保する必要が出てくるため、取り付けの際に頭を抱える方は少なくありません。

さらに屋内へ設置する場合だと、排気管が上に伸びるケースが多く、上部の空いたスペースを利用しようにも排気管がネックとなり、有効活用するのが難しいです。

修理の際に手間がかかる

さらに据え置き型ガス給湯器は、修理の際に手間がかかる、というデメリットも抱えています。

屋内に据え置き型のガス給湯器を設置すると、大がかりな修理の際に家の外へと持ち出さなければならず、修理スタッフ2名での作業となる場合が多いです。

修理する業者にとってはイレギュラーな対応となり、日程の調整が困難になってしまうと、修理が完了するまでに時間がかかってしまいます。

壁掛け型と据え置き型はどっちがいい?

ここまで、壁掛け型と据え置き型のメリット・デメリットをそれぞれ紹介してきました。

両者のメリットを最大限に活かすためには、以下で解説するとおり、ご自身の状況にあわせて選択する必要があります。

壁掛け型にした方がいいケース

敷地が狭くスペースを有効活用したい、と考えている場合は壁掛け型を選んだ方が良いでしょう。

設置台が不要な壁掛け型は、据え置き型に比べて場所を専有することなく取り付けられ、ほとんどのアパートやマンションといった集合住宅で設置されています。

また水害が多い地域に住んでいる場合は、設置場所が高い位置にある壁掛け型を選ぶことで、ガス給湯器本体が水没するリスクを軽減してくれます。

据え置き型にした方がいいケース

一方で十分な広さの設置スペースがある場合は、据え置き型を選ぶと良いです。

地震の際に落下のリスクがある壁掛け型に比べ、ブロックの上に設置される据え置き型は安心して利用できます。

また、壁の素材が「パネル式」や「ALC」で形成されている場合、壁掛け設置にすると騒音が出るケースがあるため、壁から離して設置できる据え置き型がおすすめです。

ガス給湯器を据え置き型から壁掛け型へ変更する場合の5つのポイント

ガス給湯器を据え置き型から壁掛け型へ変更する際は、以下の5つのポイントを把握しておくと良いです。

まずは業者に相談する

ガス給湯器を買い換える際は、まず専門業者と相談しながら取り付ける機器を決めましょう。

補修サービスの内容やメンテナンスなどを総合的に考え、ご自身の状況をしっかりと考慮してくれる業者を選ぶのがおすすめです。

中には間違った知識を持った専門業者も存在するので、必ず複数の業者に相談し、信頼できる相手を見つける必要があります。ちなみに都市ガスを利用しているのなら、都市ガス会社に相談するのが確実です。

また、下記の表は壁掛け型ガス給湯器の価格相場です。業者と相談する前に把握しておくと、価格交渉の際に話が有利に進められるので、ぜひ確認しておきましょう。

戸建て住宅向け・壁掛けタイプの交換費用(商品価格+工事費)

性能サイズ
16号(1人〜3人用)20号(2人〜4人用)24号(4人以上)
給湯専用111,672円117,504円135,216円
給湯+おいだき278,316円306,720円333,936円
給湯+おいだき+エコジョーズ314,280円344,520円368,280円

参照:壁掛けタイプ(戸建住宅向け)給湯器の交換費用|給湯器直販センター

工事内容を把握する

専門業者とガス給湯器の交換について相談する際は、ご自身でも必ず工事内容を把握しておきましょう。

設置タイプを変更する際は、機器の取り替えだけでなく壁の隙間補修が必要となり、配管も若干いじることになります。

以前までの穴を塞いだり、新たな場所に穴を開けたりするので、後々トラブルにならないよう相談の段階で確認しましょう。

浴室・洗面所付近に取り付けるのがおすすめ

実際に壁掛け型ガス給湯器を設置する際は、浴室や洗面所付近に取り付けるのがおすすめです。

前述した通り寝室付近に設置すると、機器の振動音が家の中まで聞こえる恐れがあるため、日常生活に影響を及ぼさない水回り付近の壁に取り付けましょう。

ちなみに壁掛け型を取り付ける際は、防振壁掛け金具の使用で騒音対策ができるので、業者と相談しながら検討すると良いです。

専用の据置台を設置する

壁掛け型を設置する際にどうしても壁の負担が気になる方は、専用の据置台を利用するのがおすすめです。

重い給湯器が支えられる据置台を設置することで、壁への負担が軽減され、地震などの災害時に落下のリスクを抑えられます。こちらも状況にあわせて業者と相談すると良いです。

配管の伸ばし過ぎに注意

ガス給湯器を壁掛け型へ変更する際は、配管の伸ばし過ぎに注意しましょう。

設置場所の変更により配管の位置も変更になる場合があり、取り付け時に配管を伸ばしすぎると、冬の寒い時期に凍結の可能性が出てきます。

また配管を伸ばすことで、お湯が出るまでの時間が以前よりも長くなるケースもあり、事前に業者としっかり確認しておく必要があります。

ガス給湯器を壁掛け型から据え置き型に変更する場合の2つのポイント

つづいて、ガス給湯器を壁掛け型から据え置き型へと変更する際は、以下の2つのポイントを押さえておきましょう。

設置場所のスペースを確認する

据え置き型へと変更する際は、まず設置場所を確保する必要があります。

壁掛け型よりも場所が取られてしまうため、設置場所にあわせて給湯器のサイズを選ばなければなりません。

特に建物と近隣の壁が近い場合、機器の排気が隣人とのトラブルの原因となる場合があるので、設置の際は必ずスペースに余裕を持ちましょう。

ちなみに下記の表は、据え置き型ガス給湯器の価格相場です。業者と相談する前に確認しておくと良いです。

戸建て住宅向け・屋外据え置きタイプの交換費用(商品価格+工事費)

性能サイズ
16号(1人〜3人用)20号(2人〜4人用)24号(4人以上)
給湯+おいだき+エコジョーズ326,160円356,400円380,160円

参照:屋外設置タイプ(戸建住宅向け)給湯器の交換費用|給湯器直販センター

必ずブロックや架台の上に置く

据え置き型のガス給湯器を設置する際のポイントは、必ずブロックやコンクリ製の架台の上に置くことです。

据置台を設けず土の上に直で取り付けると、機器の底から錆びてくる恐れがあります。

費用が安くなるからといて設置台を外すことのないよう、業者の方と綿密に打ち合わせを行い、最適な設置方法を選びましょう。

まとめ

以上、ガス給湯器の据え置き型と壁掛け型のメリット・デメリット、設置タイプを変更する際のポイントをご紹介しました。

近年の日本では、広い土地が確保できない住宅事情から、壁掛け型のメリットが注目され人気が高まっています。ただ今回紹介した通り、壁掛け型と据え置き型のガス給湯器には、それぞれメリットとデメリットが存在します。

変更したほうがメリットが大きそうだと感じたのなら、給湯器の交換業者と相談しながら決めると良いです。この記事を参考に両者の特徴をしっかりと把握し、ご自身の住宅に最適なガス給湯器を選びましょう。

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